low energy architectural & environmental design

省エネルギー設計とパッシブデザインについて英国の建築デザイン現場から、お届けします。

ニュース

15-40launch15-40 コレクティブ 設立


15-40とは? 私たちが改修と新築において目標とする平米当たり必要な冷暖房エネルギー量でユニットはkWh/m2yr。

15-40は省エネルギーデザイン理念と手法を共有する六つの設計事務所による組織で、7人の公認パッシブハウスデザイナーを含みます。 2014年 10月に100人以上を招いて設立パーティーが行われました。パッシブハウストラスト他沢山の応援をもらっています。15-40のもと、共同プロジェクト が進行中です。

15-40LOGO

www.15-40.co.uk                






kiito

最近の日本での活動

TERRA SPOT 渋谷 コンペティション

(Terra Spot プロジェクトチーム共同)

パッシブデザイン再考

http://kiito.jp/news/report/2013/07/29/4089/
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/3690/

国際パッシブハウスセミナー 様々な気候風土でのパッシブハウス
http://passivehouse.jp/1000/000151.php

コラム


phppmanual

コラム1: 

PHPP (Passive House Planning Package) とは

パッシヴハウスインスティテュートがつくったソフトウェア、建物のエネルギー性能をモデリングするデザインツールです。エクセルスプレッドシートとマニュ アルから成り立ちます。

パッシヴハウスの認証申請の記録をアップロードしようと思います。ここでは現時点での最新バージョン 8 (2013)英語版に基づきます。(2015年3月現在)
PHPP 開口部 入力
<開口部タブ コンポーネントタブ>
窓やドアの発注と平行して最終寸法を確認します。発注書は内容の証明のため認定機関にコピーを提出することになります。
あらかじめコンポーネントタブに以下を入力。
窓枠の名前(製品名など)枠の外寸(幅x高さ)
それぞれの枠の見付け寸法 (それでガラスの面積、外回り寸法がわかるので。)
それぞれの枠のU値
ガラス縁の熱橋係数(熱橋での熱損失の係数)
枠縁を設置した時の熱橋係数(専門家が承認した計算結果がなければデフォルト値0.04W/(mK))
ガラスの名前 ガラスのU値、g値
これらは窓枠とガラスが開口部タブのそれぞれの開口部の行にて選択できるドロップダウンメニューになります。

あらかじめ製作元から正確な値を得ておかないと、大きな誤差が出る可能性があります。
デザイン課程でいろんな種類の窓やガラスを試すとその記録がコンポーネントタブにたまっていますが、数式が乱されるのを避けるために順番を変えたりせずに そのまま残すようにします。これは設計過程のデータベースなのです。

開口部タブでは一行に一枚のガラス枠を入れて行きます。数量を入れる所がありますが基本的にこれはいつも1になります。繰り返し同じ窓がある場合でも、た とえ同じ方角でも通常日陰の条件が変わってきますのでそれぞれに行を割り当てましょう。
玄関ドアも、ガラスが入っていれば、大きな枠のガラス戸と見なして同様に入力します。phpp window
窓番号をつけるとき、例えば両開きの窓番号W01のときはW01a とW01bなどとそれぞれのガラス枠に固有の番号記号をつけてください。開口部タブに窓番号を入力して行くときは南W02 東W06などと方角を冒頭に記入しておくと後でどの壁にその開口部があるのかドロップダウンメニューで指定する時に間違いに気づきやすくなり便利です。
ここでも隠れた数式が乱れるのを避けるために行の順番を変えたり削除したりせずどんどん下方へ記入して行きます。
窓の設置の状況として、枠が壁に接していれば1、他のガラス枠に接していれば0をそれぞれの辺について記入します。これにより枠縁を設置した時の壁との熱 橋係数が1の所に適用されます。

今回はこの最終段階でもガラスの種類や熱橋係数のバリエーションによると最大0.7kWh/平米年の必要暖房エネルギーが節約出来るという結果です。でも コストや、全体の熱収支の開口部の占める割合等の要素も考えて最終仕様を決めます。太陽熱取得の割合が全体の熱取得のなかで大きすぎると不安定で夏のオー バーヒートの可能性も増えます。バリエーションで冷房負荷にも差が出ますが本件のような気候の場合は暖房エネルギーをおさえることを優先します。
下図は開口部タブ。黄色い所のみ記入。オレンジはドロップダウンメニュー。その他は他のタブからのコピーか計算結果が記されており、ここで記入は出来ない 様になっています。

コラム2: パッシブ デザイン と 庭 再考

"現代ではエアコンが幅を利かせ建物は密閉されてきた。冷暖房の効率を 良くする為に私達は庭からどんどん離れていった。
建物と庭の持つ調整機能から離れていってしまった。" - Chip Sullivan, Garden Energiest in Landscape Architecture Magazine 1981 July

太陽エネルギーや換気のための風、自然エネルギーを利用するパッシブデザイン。


「パッシブ」は「アクティブ(動力源を必要とし複雑なもの)」に相対し、自然を 単純利用しようというものです。

またパッシブには「聴く」「状況を変えたり影響を与える為に特別に行動しない。 他のもに影響させる事を許す。」という意味もあります。

以下は庭のパッシブデザインの大変興味深い事例です。
文章:The Historical Garden As a Passive Architectural Element (by Chip Sullivan , Published by Solstice) より。
"温暖をもたらす庭の手法
イタリアのトスカーナ地方のある夏の別荘は、微気象を調整する庭のデザインが施 されている最も初期の事例だ。この別荘はとてもよくデザインされていて、どこで建築部分が終わり、どこからが庭なのか区別がつかない。ほとんどの屋内空間 が庭と関係付けられている。

柱廊は夏の間陰になるように、そして夏の風が入るようになっており、一方冬には 低い角度の太陽の光が入り、太陽熱を蓄熱しその空間を暖める。この別荘には別の面白い仕掛けもあるがそれは太陽熱の浴槽とでも言ってよい。これは壁に囲まれた庭で、太陽光を捕らえられるように空に対して開いている。たとえ寒い風が吹いていてもそこに寝そべり日光浴ができ る。「シークレット・ガーデン」と呼ばれる囲まれた庭である。

同じイタリアのジェノバの庭では、3つの歩道が平行に延びている。それらは日当 たりが良かったり、パーゴラがあったり植え込みで影が作ってあり、年間を通じてそれぞれ違った環境を提供する。冬の北風を避けるために植木が配置されてい る散歩道は、朝の低い角度の太陽は取り入れるようになっている。

15世紀に創られたある庭には、正確に夏は日影になり冬は日の良く当る位置にベ ンチが配置されている。スペインのアンダルシア地方のある建物は冬と夏のゾーンに区分けされている。低いエリアは夏の部屋で、中庭に面して開き噴水や木陰 で冷やされている。中庭を取り囲んでいる上の間は冬の部屋で、充分な日差しが入りこみ温かさを溜め込んでいる。"